これは、第二次世界大戦末期、東京都立武蔵高女の少女たちが都下昭島市の昭和飛行機工場へ勤労動員されていた当時の思い出と、二十八年後、当時生活していた青梅寮で再会したときの感想とを集めた文集である。当時、私どもといくらも年の違わない少年兵が、白いマフラーを巻いて、小さい飛行機で出陣して行き、 散った。“神風”の鉢巻をしめた少女たちは歓呼して送り、いま、ここに在る……。
二十数年の平和の底に一人一人が抱き続けた心の傷を、素朴に書き綴ってみた。
(まえがきより)
昭和49年8月10日発行(非売品)
編集兼発行者:東京都立武蔵高女青梅寮生の会
編集人:安藤千鶴子、勝田茄津子、武井洋子
題字:稲垣黄鶴
カット:永野みのり